先日、大阪万博記念公園を
訪れたときのことです。
幼い子どもを3人連れた夫婦を見かけました。
私は気持ちのよい屋外のテーブル席で、
昼食をとっていたのですが、
そこにアイスクリームを買いにいたのです。
残念なことに、その家族には
笑顔も、会話もありませんでした。
お父さんは、
何度も両手で顔を覆うようなしぐさをして
疲れているようですし、
お母さんも子どもの世話で余裕がない感じ。
店員さんからアイスクリームを渡されても、
子ども達の表情は固いままでした。
正直なところ、
「こんな状態なら、
こんなに人の多い場所に来なくてもいいのに」
と思ってしまいました。
無理をして遠くまで出かけなくても、
近所の公園で過ごすほうが、
子どもにとっても、大人にとっても、
余裕ができて、ずっと豊かな時間なのではないか。
――そんなことを、老婆心ながら感じていたのです。
でも同時に、
「私も同じことをしていたな」という記憶が、
胸の奥から浮かび上がってきました。
子どもがまだ小さかった頃、
家族みんなが疲れていたのに、
無理をしてユニバーサル・スタジオ・ジャパンに
連れて行ったことがあります。
なぜなら、
事前に予約していたから。
せっかくの休日だから。
USJに行ったと言える事実が欲しかったから。
案の定、子どもは目的地に着くなり
「●●公園(いつも行っている近所の公園)
の方が良かった!」
とぐずり始める始末…。
休みの日は、
子どもを特別な場所に連れていかなければならない。
素敵な場所に連れていけば、素敵な親になれるはず。
他の家族ができているのだから、私もできるはず――。
そんな「べき」「ねば」が、知らず知らずのうちに、
自分の中にたくさん積み重なっていたのだと思います。
私たちは、とても真面目です。
だからこそ、
「ちゃんとしなければ」
「期待に応えなければ」
「後悔しないように最善を尽くさなければ」と、
無意識のうちに自分を追い立ててしまいます。
でも、頑張っているのに満たされないとき、
問題なのは「努力の量」ではなく、
「その努力で、本当に欲しいものを手にできたのか」
という点なのかもしれません。
本当は、今日は少し休みたかった。
今日は近場で、のんびり過ごしたかった。
今日は、子どもの体調を優先したかった。
そんな小さな声は、
「せっかく来たのだから」
「周りはもっと頑張っている」
「ここでやめたらダメな親かもしれない」
という"べき"の声に、かき消されてしまいます。
気づけば、自分の気持ちよりも、
理想の親像や、世間の目や、
「こうあるべき姿」を優先して行動している。
それは決して、
愛情が足りないからではありません。
むしろその逆で、大切にしたい気持ちがあるからこそ、
無理をしてしまうのだと思います。
けれど、そうして積み重ねた「べき」が増えていくほど、
心の中の余白は、少しずつ失われていきます。
そしてある日、ふと立ち止まったときに、
「こんなに頑張っているのに、なぜか満たされない」
という感覚だけが、残ってしまう。
もし今、あなたの中にも
似たような感覚があるのなら
――それは、何かが足りないのではなく、
もう余白が残っていないサインなのかもしれません。
では、どうすればいいのか。
一度、立ち止まって、
自分の中にある「すべき」「ねば」を、
探してみてください。
- 休日は子どもをどこかに連れて行くべき
- 栄養バランスの整った食事を毎食作るべき
- 習い事は○○をさせるべき
- 家は常に片付いているべき
そして、
ひとつひとつに問いかけてみてください。
それは本当に、
今のあなたに必要なものですか?
それを続けることで、あなたの毎日は、少し軽くなりそうでしょうか?
手放すことは、投げ出すことではありません。
むしろ、自分にとって大切なものを守るための選択です。

たとえば、今週末は「遠出」ではなく「近所の公園」を選ぶ。
手の込んだ料理ではなく、子どもと一緒におにぎりを握る。
完璧な計画ではなく、「今日はこれだけ」と決める。
そんな小さな選択から、始めてみてもいいかもしれません。
特別な場所に行かなくても、完璧な親でいなくても、
「今日はこれでよかった」と思える時間は、
案外、身近なところにあるのかもしれません。
子どもが笑った瞬間。
一緒に空を見上げた時間。
何も予定のない午後に感じた、ゆったりとした安心感。
頑張り続けることよりも、感じることを取り戻す。
その小さな切り替えが、
「満たされない」という感覚を、
少しずつ溶かしていくのだと思います。
万博で見かけたあの家族も、
USJで無理をした当時の私も、
きっと誰かを大切にしたくて、
一生懸命だっただけなのです。
だからこそ、今度は自分自身にも、
少しだけ優しくなってもいいのかもしれません。
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